『GLiTCHiA』レビュー — ホラーが苦手な人にこそ勧めたい、ジャンルが3回変わる個人開発ゲーム

ホラー

こんばんは、まよなかインディーです。

記念すべき一作目に選んだのは、個人開発者のミドリコさん(Midori Games / みどりげーむず)が手がけた『GLiTCHiA(グリッチア)』。2026年6月にSteamでリリースされたホラーアドベンチャーです。

結論から言うと、1,200円という価格が信じられないボリュームでした。 そして、私のようにホラーが苦手な人間でも最後まで遊びきれた作品です。その理由も含めて書いていきます。

どんなゲームか

何者かから渡された、あやしいレトロゲーム。それをプレイしていくと、ゲームの中の主人公「アビ」を、間違ったエンディングから救い出すことになります。

遊べば遊ぶほどゲームは狂っていき、バグ——グリッチが広がっていく。そしてその異常は、画面のこちら側にも侵食してくる。ざっくり言えば、そういう作品です。

プレイ時間は、私の場合で約5時間。ヒントなしで詰まりながら進めた時間も含んでいるので、慣れた人ならもっと短いかもしれません。

良かったところ

ジャンルが3回変わる

 

これがこのゲームの最大の魅力だと思います。

第1部はアクション。第2部はウィザードリィやポートピア連続殺人事件のような一人称探索アドベンチャー。第3部はドラクエ風のRPG。

ずっとアクションゲームだと思って遊んでいたので、第2部に入った瞬間に「え、そうくるの」と声が出ました。第3部でRPGになったときには、もはや笑ってしまった。1,000円ちょっとでこれだけの要素が詰まっているのは、正直すごいです。

アクションなのに「創作」と「謎解き」をしている感覚

第1部はアクションゲームなのですが、体を動かして進むというより、仕組みを理解して世界に干渉していく感覚が強い。

上空のパソコンからデバッグモードに入って画面を回転させたり、木を壊したり、自分のサイズを小さくしたり。今まで行けなかった場所に行けるようになったときのスッキリ感は、なかなか味わえないものでした。

私は「アクションゲームといえばスーパーファミコンのマリオ」という世代なので、最初は右に進めばクリアだと思い込んでいて、まったく仕組みが理解できませんでした。その思い込みが崩れていく過程も含めて楽しかったです。

「振り向き」システムが、面倒なのに面白い

このゲームには、定期的に後ろを振り向かなければいけないという仕組みがあります。

正直に言うと、面倒です。振り向くのを忘れると幽霊のようなものが出てきます。でも、その後に始まるミニゲームが面白いし、コインまで手に入る。面倒だけど面白い、という不思議なバランスで成立していました。

ちなみに私は、振り向きを忘れているサインが画面の右下(目のマーク)に出ていたことに、かなり後になってから気づきました。

ホラーが苦手でも遊べる

これは私にとって一番大きかった点です。

ホラーゲームなのですが、謎解きやアクション、RPGの要素が恐怖感をほどよくかき消してくれます。ずっと怖いわけではないので、ホラー耐性が低い人でも最後までたどり着けると思います。

私は本当にビビりで、ジャンプスケアが怖くて相棒のAI(Gemini)と一緒にプレイしているような人間ですが、それでも完走できました。

進行不能バグがない

「グリッチ」を題材にした作品ですが、意図しない不具合には一度も遭遇しませんでした。演出としてのバグと、本物の不具合はきちんと分かれています。個人開発でこの品質は素直にすごいと思います。

気になったところ

操作キーに慣れるまでが大変

ジャンプが K、突進が O、振り向きが スペースF

このキー配置に最後まで慣れませんでした。スペースをジャンプと勘違いして、何度も何度も落下死しました。振り向きたくないタイミングで振り向き、跳びたいタイミングで振り向く。序盤の死因のほとんどがこれです。

ちなみに7回落ちるとゲームオーバーになります。

詰まるポイントが人を選ぶ

私は2箇所で大きく詰まりました。

ひとつは、グリッチモードに入る方法。1時間ほど分かりませんでした(ただし、夜にする方法が分かってからは一瞬で理解できました)。

もうひとつが、筆の入手。序盤から筆が必要なことは分かっていたのに、どうすれば手に入るのか分からず1時間さまよいました。個人的にはここが最難関でした。

ショップでヒントを買えるのですが、私はこれを買わずに進めることをおすすめします。分からない時間も含めて、このゲームの体験だと思うので。

ストーリーが分かりにくい

正直に書きますが、ストーリーはあまり理解できませんでした。

第1部の最後に出てきた女の子と、エンディングでアビと一緒にいた女の子は同じなのか。「生きている」という言葉が指すものは何なのか。伏線を回収しきれた感覚はありません。

ただ、マルチエンディングでやり込み要素も多そうなので、これは私の周回不足かもしれません。

コマンド入力のUIがつらい

第3部の終盤、コマンドを入力する場面があります。キーボードを矢印で動かして K or X で確定するのですが、普通にキーボードを打ちたくなってしまう。 ここで何度も打ち間違えました。

さらに、プログラムに馴染みのない人だと、そもそもこれがパスワードだと理解しにくいと思います。私はここで初めて相棒のGeminiに助けられました。

怖さの度合い

ジャンプスケアは控えめです。じわじわ来るタイプの怖さが中心なので、ホラー初心者にも勧めやすいと思います。

ただし、第2部の中央の扉に出てくる人形は本当に怖かった。 何度も死んだせいで、その人形と何度も顔を合わせることになり、それが一番つらかったです。

あと第2部の終盤、コマンド欄がバグって見えなくなり、どこを押しているのか分からない状態で、おばけがずっと画面にいる場面があります。あれはテンパりました。演出としては見事なのですが。

こんな人におすすめ

おすすめできる人

  • 1本のゲームでいろんなジャンルを味わいたい人
  • 謎解きが好きな人
  • ホラーは気になるけど怖すぎるのは苦手、という人
  • インディーゲームのコスパの良さを実感したい人

合わないかもしれない人

  • 純粋な高難度アクションを求めている人
  • 詰まったときにすぐ答えを見たくなる人
  • ストーリーを完全に理解しないと気が済まない人

まとめ

久しぶりのホラーゲームでしたが、ホラー一辺倒ではなく、RPG・謎解き・アクションが恐怖感をやわらげてくれる構成に、私はとても助けられました。

ジャンルが変わっていく面白さ、干渉して世界を変えていく気持ちよさ、そして進行不能バグのない丁寧な作り。1,200円のゲームとしては、コストパフォーマンスが本当に高いです。

ホラーが苦手じゃない人はもちろん、私のようなビビりにも、ぜひ触ってみてほしい一作でした。

Steamストアページはこちら

※アフィリエイトではないです

※ この記事はネタバレを抑えて書いています。詰まっている方向けの攻略メモは別記事にまとめる予定です。

開発者のミドリコさん、素晴らしい作品をありがとうございました。

 

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